大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)379 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人塚本重頼の上告趣意書は末尾に添えた別紙記載の通りである。

(一)上告論旨第一点は、被告人は昭和二三年四月一九日午前二時自宅で白羽二

重生地六五反人絹一八八反を贓物と知りながら受取つてこれを預り、その内羽二重

地五反人絹生地一三反は同日捜査に来た巡査に提出し、残余は同月二一日頃まで自

宅に隠匿して贓物の寄蔵をしたというのであるが、それならは贓物寄蔵罪二個であ

るのに、原判決が刑法第二五六条を一回適用したのみであるのは、法律の適用を誤

つたものだ、というのである。しかし二罪を一罪として取扱つたという非難は結局

被告人の不利益に帰すべきもので、上告の理由にならない。

(二)上告論旨第二点は、原判決には虚無の証拠によつて事実を認定した違法が

ある、との主張である。すなわち原判決は贓物中巡査に提出した品数を「羽二重地

五反人絹生地一三反」と認定しているが、それは「羽二重地二反人絹生地一五反」

の誤りだというのである。この原審の認定は被告人自身の公判廷における供述によ

つたものであるが、なるほど盗難被害届、領置書、仮下請書等によると、論旨の言

うところが正確である。しかし全体の品目個数には誤りでなく、又巡査に渡した品

数も符合し、たゞその内訳に小さな出入があるだけであつて、このいさゝかの食い

違いは、犯罪の成立にも刑の量定にも何等の影響があるべきでなく、証拠によらず

に事実を認定した違法というほどの事とは考えられず、論旨は理由がない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二四年七月一二日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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